何百万年の時を超えて、研磨されたオパール。
でもその行き着くところは・・・・。
手前右のブラックオパール、とても美しい、そして鮮やかなブルー。
その奥のオパールにも、グリーンやイエローの遊色が見えます。
でもこのオパールたち。
とうとう宝石にはなり切れなかったものたちです。
以前の実験「電子レンジに入れてみました」でご紹介したとおり、オパール、特にブラックオパールやボルダーオパールは決して割れやすい、弱い宝石ではありません。
ですが、そんな中にも割れてしまうことが運命付けられたようなものもあることは事実です。
実は今日の写真のオパールたち。
全てヒビ(カン)が入っている宝石として価値のないものです。
採掘した原石を吟味し、研磨を施してやっと宝石として生まれかわったオパールは、そのまま全てを商品として皆さんにご紹介するわけではありません。
キズの有無、研磨の状態などをチェックし、何も問題が無いものだけを選び抜いて商品、宝石として送り出します。
含有水分量の少ないブラックオパールと言えども、中には水気の多いもの、そうでないものと個性があります。
どうしても水気の多いものは割れてしまう可能性も高く、そうしたものを初めからはじいてやる作業は、やはりある程度経験が必要です。
原石を見て、あるいは研磨の終わったものを見て、地色やオパール層の状態、そして、とてもあいまいですが全体の“雰囲気”で、割れてしまうものを判断していきます。
言葉ではなかなか説明できない、やはり“雰囲気”としか言えないオパール全体の状態を、経験を持った目で見てやれば判断することは可能です。
実際に採掘されたエリア、そして深さなどの情報も判断するための基準になります。
そうした判別作業をせずにマーケットへ出してしまう、そんな業者も残念ながら存在します。
オーストラリアのお土産屋さんやネット販売をしているサイトでも、よく“やばそう”なオパールを売っているのを見かけます。
ネット店舗の中には、すでにカンが入り始めているようなオパールを堂々と販売しているようなところも。
こうした罠を見抜くことは、一般の消費者の方には不可能です。
お気に入りのオパールを見つけて手に入れたは良いけど、半年もしないうちにヒビが入ってしまう、悲しく悔しいですよね。
どうぞ、そんな後悔の人にならぬよう、お値段だけ、割引率だけ、で大切な宝石を判断しないよう、皆さんもお気をつけください。
えっ、割れちゃうようなオパールはどうするかって?
販売することはもちろん絶対ありません。
でも捨てるのも忍びなく、私のある意味コレクションになってます。
今日は満天の青空です。