今年、2006年は日豪交流年です。1976年に締結された日豪友好協力基本条約30周年を記念して、小泉首相とオーストラリアのハワード首相との首脳会談で決定されたものです。
1976年、当時の三木武夫首相とマルコム・フレーザー首相との間で締結されたこの条約は、日本とオーストラリアが戦火を交えた第2次世界大戦から30年を経て、より友好的な交流を促すことが目的でした。
皆さんご存知のとおり、その後日本とオーストラリアの間では、観光ブーム、そして留学やワーキングホリデー制度の開始(1980年)ともあいまって、とても良好な関係を築いてきたといえます。
ちょうどこの条約が締結された当時、オーストラリアはそれまでとってきた白人優遇主義(白豪主義)を捨て、多民族国家、政策へと移行していきます。
現在、オーストラリアは世界中からいろいろな民族が集まって形成されている本当に多民族な国家です。街を歩けば、アジア系から中東系、そしてアフリカ系と、様々な容貌の人たちを目にする事ができ、また、世界中の食べ物、レストランが身近にあるのもオーストラリアならではのことだと思います。
しかし、一見穏やかに見える中には、やはりどうしても民族間の差別、区別、そして対立が見え隠れします。
先日、シドニー近郊で発生したイスラム系の市民に対する暴動騒ぎは、この国のかかえる問題をはからずも表現してしまった悲しい出来事でした。
日本のような単一民族の国に暮らしているとなかなか感じない、気づかないこうした差別や対立が、オーストラリアから一掃される日が来る事を願っています。
ちょっと堅いお話になってしまいましたが、日豪交流年の今年、両国の間で、いろいろな催し物が開催されます。皆さんのまわりでもオーストラリアが身近になってくれれば良いと思います。昨年の韓国との間の同様なイベントの結果のような表面的なもので終わらないよう祈っています。
今日のゴールドコーストは昨日までの曇り空がうそのような快晴、まぶしい太陽がいっぱいです。