ボルダーオパール考 。。。

蔑まされ、軽んじられ、“一段下”の扱いを受け、いつも“しかたなくクイーンの代わり”と考えられてきた彼女たち、、、
そんな悲しい過去も、はるか昔むかし、のお話。
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いつも頂点に君臨し、“クイーン”だ、“女王”だ、“王様”だ、と崇められていたのは、そうご存知ブラックオパール。
そして、悲しい過去を持つ、二番手は、、、
、、、そうボルダーオパール。。。。
私がオパールに関わるようになった頃、だれもがブラックオパールを求め、このクイーンを得ることのできない人たちが、代わりに仕方なく買うのがボルダーオパールでした。

販売する業者さんにとっても、
「ブラックオパールが一番!」
「ボルダーはブラックの代わり!」
そんなふうに考えていた方がほとんど。
ボルダーオパールの事を、“クイーンズランド・ブラックオパール”なんて呼んでいたのもこの頃。
当然、そんな風に考えている業者さんから購入する消費者の皆さんも、同じ考えを持ってしまうのはあたりまえ。
なぜ、そんな風な間違った認識を持ってしまったんでしょうか?
当時を振り返ってみると、いくつか理由は想像できます。
まず、ブラックオパールはボルダーオパールよりも産出されるエリアが極端に狭く、より希少性をアピールできた。
そして、ブラックの方がボルダーよりも、ずっとサイズが小さかった。
この2点が思い浮かびます。
店頭や展示会場に並べられた時、サイズは小さいけれど色の変化の大きいブラックオパールにスポットライトが当たるのは仕様がなかったのかもしれません。
唯一その魅力に気がついていたのは、形に個性を求めるデザイナーさん達でした。
時は過ぎ、ブラックオパールの採掘量が激減したここ数年、ボルダーオパールの価値が見直されています。
もとより、どちらのオパールも、発見されたのは19世紀末から20世紀初頭のこと。
その歴史に違いはありません。
また、遊色の多様さ、表情の豊富さも、必ずしもブラックオパールの方が勝っていたわけでもありません。
オパールとしての魅力、
色や動き、そしてユニークさで両者を差別することはできないのです。
でも、
現在でも、日本の業者さん、特にご年配の業者さんの中には、ボルダーを“ばかにする?!”ような態度を取る方もいらっしゃいます。
お話をしていると、
「でもボルダーでしょ」
そんな一言を耳にする事が多々。。。
悲しいことに、こうした風潮は、何も日本だけでなく、他の国でも見られることです。

「オレたちがまず意識を変えていかないと!」
「業界を教育していかないと!!」
そんな事を、ボルダーの鉱夫たちとよく話します。
そう言う私も、数十年前は偏見を持っていたひとりです。
でも、ブラックに負けない遊色を楽しませてくれるもの、
ブラックよりも鮮やかに輝きを見せてくれるもの、
そんなたくさんのボルダーオパールを手にしてきた中で、そうした偏見は綺麗さっぱり消えていきました。
薄暗い部屋の中で目にするボルダーオパールの輝きは、ブラックには無い独特の素晴らしさです。
きっと皆さんの中にも、今でもボルダーへの偏見にとりつかれている方がいらっしゃるでしょう。
最近好調なウイントンで採掘された上の写真のボルダーオパール
いかがですか?
美しいと思いませんか?
素晴らしいと思いませんか?
日本の宝飾品業界も含め、これまでの偏見を払拭する為にも、こんな綺麗なボルダーを、どんどん今年もご紹介していこうと思っています。
さて、写真のオパールたち、
本日、入荷分です。
最終チェックをして、撮影して、、、、
今週末にはサイト上でご紹介できるハズ。
早い者勝ちですよ!
お楽しみに。

今日は暑かったゴールドコーストです。


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