ライトニングリッジからやって来た鉱夫とのお話。。。
もう5年ほど付き合っているライトニングリッジの鉱夫。
採掘したブラックオパールを持って、時おりゴールドコーストにもやって来る彼。
今回は奥さん、そし10代の息子を連れやって来ました。
「キレイな赤が採れたんで見せたくて持ってきた。」
嬉しそうに差し出されたオパールたち。
一通り彼の収穫を見せてもらうと、やっぱり眼に留まったのは、その赤斑。
「いくら?」
遠慮がちに聞いてみると、
「xxxドルでどう?」
「・・・・、xxxドル!?」
とてもとても手を差し出したくなる金額ではありません。
自分の頭にあった値段とは相当な開きが。
「ちょっと手が出ないな・・・」
当然、鉱夫からオパールを買う時、一番に考えるのは、
いくらで売ることが出来るか?
いくらで皆さんに紹介できるか?
それが最大のポイント。
小売値があって、そこから仕入れる値段を計算する、
その仕入れ値の範囲に入らなければ、いくらキレイでも手にすることはまずありません、商売になりませんからね。
「ちょっと高いな。」
そう素直に彼に伝えると、
「採掘経費がメチャクチャ高くなってるから、これくらいじゃないとあわないんだよ。」
「ガソリンは高いし、採掘権料も毎年上がってるし、アレもコレも・・・」
彼のおっしゃることはモットも。
私にしても、彼ら鉱夫の立場、現状は十分わかっているつもりです。
採掘する彼らからすれば、経費を考え、自分たちの儲けを考え、それを足し算してお値段を決めるのはこれまた当然のこと。
私は引き算、彼は足し算、
その溝は広くなるばかりです。
「ブラックオパールがどれだけ採れなくなっているか、経費がどれだけ高くなっているか、それを消費者に教えていかないとダメだ!」
「一番キツイ仕事してんのは我々鉱夫だよ!」
こんなご時勢です。最近はあんまり売れてないんでしょう。彼の口調がいつに無く厳しく、そして強くなっていきました。
「そんなコト言ったって、売れないもの買えないし、うちらだって厳しいしキツイんだよ!!」
つい言い返してしまう自分。
「こんなんじゃ、オパール掘る人間なんていなくなっちゃうよ!!」
「・・・・・」
何も返す言葉はありませんでした。
そのとおり、鉱夫たちは皆生活かけてやってるんですから、それに見合わないのであればオパール採掘なんてやってられない!
そんなことわかってます。。。
でも、私も生きていかなければなりませんから。。。
彼だけでなく、ここ数年の鉱夫たちの提示額は高騰しています。
鉱夫たちの状況、そして彼らの知らないマーケット状況、
その間に挟まれて、苦悩する毎日です。
冬が戻ってきたような、木枯らし吹く今日のゴールドコーストです。