ブラックオパール、現実・・・・ 。。。

彼とはもうずいぶん長い付き合いです。
ブラックオパールの周りに群がり、集まる人々の中でも、彼は大物の一人でした・・・。


彼の役割は、鉱夫から原石を仕入れ、研磨したのち、それを問屋やジュエリーメーカーに売り歩く、“ランナー”と呼ばれるもの。
彼の持ってくるオパールは、いつも美しく、一点の非も無いような、完璧なブラックオパールばかりでした。
「良いものしか扱わない」
それが彼の口癖。
採掘量が激減した最近では、さすがの彼も以前のようなわけには行かなくなったようでしたが、それでも、彼の持ってくるオパールは安心してみることができる質のものばかり。
そんな彼から電話があったのが昨日。
「久しぶり、いいブラックのパーセルがあるんだけど見てくれる?」
本当に久しぶりだったので、喜んで彼と会うことに。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
ところが、彼の持ってきたのは、
ガッカリ。
サイズはそこそこそろっているものの、地色、遊色、内包物、、、
どれをとっても、まさか彼が扱うとは思わない品質。
そのことを正直に告げると、彼の顔は寂しそうに、そして悲しそうにゆがんでいきました。
とてもそのパーセルを仕入れる気にはならず、再会の挨拶だけで彼とは別れました。
まさか、あの彼が!
あんな程度のものを扱うとは!!
でも、きっと彼自身もわかってるんでしょう。
そして、彼が一番悔しいのでしょう。
かつてのようにこだわっていられないこと。

今日の彼との再会は、ブラックオパール採掘の現実を、とても強烈に思い知らされた、そんな出来事でした。
ゴールドコーストでもシドニーでも、そしてebayなどに出品しているオンラインショップでも、ダブレットやトリプレットが主流の現在、
本当のブラックオパールの魅力をお伝えしていけるのは、はたしてあと何年・・・
心寒い思いがします。

曇り空のゴールドコーストです。


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