初 級 編 (パート4)

3. オパールってどこで取れるの、種類は ? ( つづき )

ブラックオパール

ブラックオパール

私たちがいるゴールドコーストから車で約8時間、内陸部へ入っていったところにブラックオパールの産地として有名なライトニングリッジ (Lightning Ridge)という小さな町があります。この地球上で、本当の意味でのブラックオパールが産出されるのは、この町の周辺、せいぜい5~60キロ以内のエリアのみです。

最初にブラックオパールの存在が歴史に刻まれたのは、1873年と言われています。しかし、実際人々がその美しさと価値に気がつき、本格的な採掘が始まったのは1903年のことでした。それから100年あまり、今現在でもブラックオパールはライトニングリッジの町を中心としたこの地域からしか発見されていません。

※ライトニングリッジについてはこちらのページでお話しています。

ブラックオパールと聞くと、黒いオパールと単純に連想し、初めてその美しさに触れた方は一様に驚きの声を上げます。なぜブラックオパールなんて名前が付けられたのでしょうか? そこら辺から話していきましょう。

ブラックオパール原石(ノビー)ブラックオパール原石(シーム)

上の写真はブラックオパールの原石を写したものです。左側は“ノビー”と呼ばれるこぶしくらいの塊で、一方の右側は“シーム”と呼ばれる層状のものを示しています。

左の写真では少しわかりづらいですが、色のあるところを白い砂が覆っているのがわかっていただけると思います。実は、この砂を全て洗ってしまいますと、右の写真に写っているような黒っぽい部分(potch、ポッチと呼びます)が現れてきます。つまり、ブラックという名の由来は、この原石の黒っぽい部分、ポッチから来ているものなのです。「ちょっと大雑把過ぎてわかりづらいよ!」なんて声が聞こえてきそうなので、もうワンセット写真を。

ブラックオパール表面ブラックオパール裏面ブラックオパール横面

これもひとつの同じオパールを三方向から写したものです。左がもちろん正面(宝石面)、中央が裏面、そして右が側面から見たものです。前述のボルダーと同じように、ブラックオパールは、黒い母岩、ポッチが付いた状態で磨かれることがほとんどで、横から見るとその様子が良くわかっていただけると思います。そう、このことなんです。これがブラックオパールと呼ばれる最大の理由なのです。ただし、この裏の黒い部分が付いていないものもあり、だからと言って、それはブラックオパールではないとは言いません。ここではいちばん皆さんがわかりやすい方法でお話しただけで、一般的なブラックオパールの定義は、「地色が黒またはグレーの遊色効果を持つ」オパールというもので、裏に黒い母岩が付いているか否かは関係ありません。中には両面が表面(きれいな宝石面)で、しかもその色がまったく違うなんてリバーシブルな石も存在します。

ブラックオパールのより詳しい定義について、『上 級 編 』でもお話させていただきたいと思います。

ちなみに、上の原石の写真でご紹介したノビーとシームですが、ノビーの方がオパール層の厚い上質のブラックオパールを採ることができます。一方のシームはオパール層が薄く、良質のオパールがこの原石から採れるのは、とてもまれです。現在採掘されるブラックオパール原石は、ほとんどがシームの状態で、なかなか厚みのあるオパールを見つけることは難しくなってきています。(ブラックオパールの価値を決める基準)

それでは、次のページでは宝石としてのオパールについてお話を進めていきましょう。

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