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エチオピア産オパール(特徴とお手入れ方法)

エチオピアンオパール

ハイドロフェンという独特な特徴を持つエチオピア産オパール。それゆえに、オーストラリア産オパールとは全く違ったケアの仕方、お手入れ法があります。実験を通して学んだことをもとに、まとめていきましょう。


☆ ハイドロフェン・含有水分量 ☆

動画でも見ていただいたハイドロフェンは、エチオピア産オパールだけの特徴ではありません。また、全てのエチオピア産がハイドロフェンでもありません。エチオピアやホンジュラス産の多くのオパールが、この性質を持っています。また、メキシコ産のオパールにも、一部この性質を持ったものがあります。

いずれも火山性オパールと呼ばれる仲間で、オーストラリア産オパールのような堆積性オパールとは、その生成される環境や期間に大きな違いがあります。

これらハイドロフェンを持つオパールは、皆さんにご覧いただいたとおり吸水性が強いのですが、もともと含まれる水分量もオーストラリア産オパールに比べて多くなります。今回、実験の対照としたオーストラリア産ホワイトオパールの水分含有量は約12%、一方のエチオピア産は約18%とされています(ブラックオパールは約4%)。

この含有水分量の多さが、エチオピア産オパールの美しさ、ユニークさを見せてくれる反面、その不安定さの原因になっています。つまり乾燥に弱いということです。宝石店のショーケースに朝展示したエチオピアオパールが、夕方には割れていた ! そんな話を聞いたこともあります。

エチオピア産オパールの一番の注意点は、絶対に乾燥しやすい場所や、直射日光が長時間当たるような場所には置かない ! です。


☆ ハイドロフェン・吸水性 ☆

食紅の実験で、エチオピア産オパールの吸水性をご覧いただきました。

10分という短時間で染まってしまうその身替りの速さは、カメレオンオパールやマジックオパールと呼ばれるゆえんでもありますが、ここにも注意しなければならない点が潜んでいます

少しでも色のついた液体に浸けてしまった場合、エチオピア産オパールは自然本来の色を失ってしまいます。そしていったん浸み込んでしまった色は、簡単には抜くことができません。

エチオピア産オパールは、出来るだけ水分を避ける。

これがふたつ目の注意点です。

たとえ水道水でも、やはりいろいろな化学成分が混入しているはずです。そんな水道水に浸けることでも、その姿を変えてしまう可能性はあります

“乾燥を避ける” と “水分を避ける” ?
たいへん矛盾をしている話ですよね。乾燥させないようにお水に浸けることもダメなんでしょうか? あるいは、水道水で洗ってやることもダメなのでしょうか?

厳密に言えば、洗ってやる時は余計な成分の入っていない蒸留水でということになりますが、そこは短時間であれば、それほど気にされる必要はないでしょう。ですが、間違っても汚れた水や、その他色のついた液体に浸けることは止めましょう。


☆ 着色オパール ☆

色をつけやすいハイドロフェンオパール。当然、その性質を利用して、人工的に染色したオパールが出回っています。

様々な色に染色され、新種のメキシコ産オパールとして販売されているエチオピアオパールの報告があります“WITHDYED PURPLE HYDROPHANE OPAL(英)”
また、煤煙処理により黒くしてブラックオパールとして販売されているものも、ネット上でよく見かけます

こうした着色エチオピア産オパールは、今後も数多く出回ってくるはずです。オパールを購入される際には、この点もご注意ください。


内部の水分が容易に出入りするエチオピア産オパール。

そんな独特な個性が、美しさとともに、もろさにも関係しているエチオピア産オパール

同じようにオパールと呼ばれても、こんなに違うオーストラリア産とエチオピア産

宝石の世界はとても奥が深いものです。