オパールのお手入れ方法

オパール

それぞれの宝石には、それぞれに適したお手入れ方法があります。そして、そうしたお手入れ方法についての情報は、書籍やサイトなどでたくさん見ることもできます。ですが、それぞれが違ったことを言っていたり、中にはまったく逆のことを言っている場合もあり、これらを読んだ皆さんが戸惑うことの多いのも事実ではないでしょうか。

そうした中で、オパールにかかわってきた20年以上の経験と、これまで行なった実験の結果、そして採掘現場や研磨の現場で見てきたいろいろな事実をもとに、オパールのお手入れ方法をご紹介したいと思います。


具体的なお手入れ方法のお話をする前に、まず皆さんに確認していただきたい点がいくつかあります。
それは、ご自分のオパールが、

  1. いったいどんなオパールなのか?
  2. どこの国、どのエリアで採掘されたオパールなのか?
  3. どういう種類のオパールなのか?
  4. 天然オパールなのか?、それとも人工オパールなのか?

こうした点です。

現在ではオーストラリア産だけでなく、様々な国やエリアからオパールが採掘されています。また、同じ国で採掘されたオパールでも、違った性質を持つ場合もあります。これら全てをまとめて同じ‘オパール’という宝石と考えてしまうと、大きな失敗をすることになります。

例えばハイドロフェーンオパールと呼ばれるオパールがあります。水分を吸い込む力が強く、水に浸けると周りの水を吸って色が変わることから別名カメレオンオパールとかマジックオパールなどの名称で販売されています。こうした吸水による色変わりは、インドネシアやアメリカ、そしてアフリカ産オパールの一部に見られる性質です。もちろん水から出して乾かしてやると元の色に戻るのですが、吸い込んだ水に色が付いていたり、あるいは影響を与えるような化学成分が含まれていた場合、乾燥しても元の色には戻らなくなってしまうこともあります。つまり、このオパールを水で洗った場合、その水道水に含まれる塩素によって本来の色が変わってしまうなんてこともあるのです。また、この性質を持つオパールは乾燥に弱い場合も多く、定期的に水分を補ってやらないと割れてしまうこともあります。


ハイドロフェンオパール

また、ダブレットやトリプレットなど人工オパールの場合、水に長く浸けることで、接着面に水が浸入し色が消えたり変わったりしてしまうこともありますので、やはり水との取り扱いには注意が必要となります。“オパールを電子レンジに入れてみました”の実験でご紹介したとおり、張り合わせの人工オパールは熱にも弱いので、その点も注意が必要です。

こうした例でお分かりいただけるように、お持ちのオパールの種類や性質を知らずに、書籍などに書かれている一般的な‘オパールのお手入れ法’でお手入れしてやった結果、逆に傷をつけてしまったり、色が変わってしまったりと、ダメージを与えてしまうこともありますので、まずはご自分のオパールについて、よく調べてみてください。

それでは、もしご自分のオパールが何オパールかわからない場合、どうしたらよいでしょう?

オパールの種類を記したご購入時のご領収書や保証書あるいは鑑別書などがなく、どんなオパールかわからない場合、一番確実なのは、やはりお近くの宝飾店を通じ鑑別機関にオパールの鑑別を依頼することです。これだけたくさんの種類のオパールが出回る中で、たとえ宝飾店の販売員さんといえども確実に判別できる方は少ないかと思います。多少の費用はかかりますが、やはり信頼の置ける鑑別機関に依頼する方が大切なオパールを守ることになると思います。
(簡単なアドバイスがお聞きになりたい場合は、お手持ちのオパールを写真に撮り、こちら宛ご連絡ください。確実なお返事は出来ないかもしれませんが、ある程度のアドバイスを差し上げることは出来るかと思います)

さて、それでは皆さんがお持ちのオパールがオーストラリア産のオパールだった場合、そのお手入れ方法はいたって単純、簡単なものです。

お持ちのオパールが天然のブラックオパールやボルダーオパールの場合、特に注意していただくことはありません。時おり綺麗な柔らかい布やセーム革で拭いてやる程度で結構です。またブラックやボルダーオパールで吸水性の高いものはほとんどありませんので、水で洗ってやることも問題ありません。その場合、柔らかいガーゼのようなもの、あるいは毛の柔らかい歯ブラシを使って優しく洗ってやってください。手を入れても大丈夫なくらいのお湯を使うことも効果的ですし、オパール自体にダメージを与えることはありません。

そしてオーストラリア産ホワイトオパールの場合は、よく言われるようにたまに水に浸けてやらなければならないということはありませんが、ブラックオパールなどよりは水をたくさん含んでいますので、夏場の直射日光下や熱がこもってしまうような場所、あるいは極端に乾燥するような場所へ置いておくことは是非避けてください。やはり柔らかい布で拭いてやるか、水で軽く洗ってやるくらいのお手入れが最適です。

ダブレットやトリプレットなど、張り合わせの人工オパールの場合は、時おり柔らかい布かセーム革で軽く拭いてやる程度にしてください

もしお持ちのオパールがオーストラリア産以外の場合は、こちらへお問いあわせください。

大切なオパールを長く楽しんでいただくために、特に定期的にしなければいけないようなことはありません。ですが、硬度6前後とダイアモンドに比べると傷がつきやすいことは間違いのないことです。やはりオパールを身に着けた際には、いつもよりほんの少し気をつけた身ごなしを心がけることも大切ですね。

オパールだけでなく、一般的に宝飾品を長く楽しむコツはこちら。

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